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 3月21日(祝),「第1回 日本伝統捕鯨地域サミット」が,山口県長門市の“ルネッサながと”にて開催されました。これは今年5月,日本では9年ぶりに開催されるIWC年次会合を契機として,捕鯨の歴史と伝統を掘り起こし,再評価することを目的として企画された公開会議です。
 縄文時代の太古から,捕鯨に技術革新が起こった近代, そして戦後から現代にいたる日本の捕鯨史を検証する3つの基調講演。捕鯨の歴史を持つ各地域の伝統捕鯨についての4つの研究発表。さらに「捕鯨から学ぶこと」をテーマとしたパネル討論から構成され,4時間近くに及ぶ長丁場にも関わらず,時間が足りなく感じるほどの充実した内容となりました。来場した約600人の参加者も,議論の輪に加わりとても興味深く新しい試みの催しとなりました。
 パネル討論の後,案文をもとに「
伝統捕鯨に関する長門宣言」を全会一致で採択しました。
 日本伝統捕鯨地域サミットは,年1回のペースで3年間にわたり開催される計画になっています。「第2回 日本伝統捕鯨地域サミット」は,2003年長崎県生月町で開催される予定です。


記念すべき第1回の日本伝統捕鯨地域サミット開催地は,山口県長門市。今年5月の「第54回IWC会議」の開催地,下関市の近所の町です

▲「ルネッサ長門 文化ホール」は,能や歌舞伎など古典芸能の舞台施設を完備した本格的な多目的ホール。“日本伝統捕鯨地域サミット”の会場には,まさにうってつけの場所です
▲会場入口付近では恒例のクジラグッズの販売が行なわれ,賑わいました

ロビーには江戸時代の古文書や絵巻物などの貴重な資料や,各地方自治体のポスター展示やパンフレット類なども置かれ,たくさんの来場者が足をとめていました

▲鯨のあらゆる部位の料理法について詳しく解説した「鯨肉調味方」

▲クジラやイルカを型取った根付(ねつけ)。クジラグッズの元祖?江戸時代からクジラやイルカはマスコットになっていたんですね
▲古座浦捕鯨絵巻

ロビーではクジラの捕食のパネルなどの資料の展示も行なわれました

▲幕開けは,豪快な太地町“鯨太鼓”の実演
▲長門市 松林正俊市長の開会宣言

▲日本鯨類研究所 大隅清治理事長による主催者あいさつ

▲IWC下関会議推進協議会 米澤邦男会長による来賓あいさつ
▲3名の識者による基調講演は,“日本の捕鯨史”を年代をおって行く形でリレー。金沢医科大学平口哲夫助教授は「縄文〜古代捕鯨と食の多様性」をテーマに講演。

▲平口助教授は,「遺跡・遺物から推察すると,縄文人はイルカ漁ばかりではなく,ロープを使って大型のクジラを捕獲していた可能性もある」等,大変興味深い説を発表しました

▲「鯨と捕鯨の文化史」の作者でもある甲南女子大学 森田勝昭教授。「近代から近現代へ〜捕鯨技術の変化と伝統」をテーマに,古式捕鯨から近代捕鯨へと変わっていった時代の人々のコミュニティーを中心に,氏が研究中である植民地時代の韓国の実態などを交えて講演しました

▲3人目の桜美林大学国際学部 高橋順一教授のテーマは「現代日本の捕鯨文化」。太平洋戦争を終え,疲弊した日本が捕鯨に求めたのは何だったのか。そして現代のクジラのニーズとは何なのかを,分かりやすい言葉で説いてくれました

▲基調講演に続き,捕鯨にまつわる各地域の代表者による「研究発表:各地の伝統捕鯨について」。和歌山県の太地からは,太地町教育委員会 和田直樹委員長による太地の捕鯨の歴史の研究発表

▲室戸からは,郷土史研究家 島村泰吉氏による研究発表。

▲地元長門からは,長門市くじら資料館 白石政人館長による発表。鯨墓建立など,通(かよい)の浦人の生物への心やさしさをアピール
▲長崎県の生月(いきつき)からは,生月町博物館の中園成生学芸員の西海(さいかい)漁場の捕鯨についての発表。土佐や太地の捕鯨法との違いなどを研究発表

▲休憩をはさんでの第2部は長門市通小学校の児童による「通鯨唄」の披露

▲第2部パネル討論のテーマは「伝統捕鯨から学ぶこと」。コーディネーターは水産庁資源管理部 小松正之参事官

▲パネル討論会には,3人の小中学生が参加。「牛や羊を食べているアメリカ人は,なぜ鯨を食べるなというの」など,質問を投げかけていました。「クジラを家畜にできないの?」という質問には,「うじゃうじゃいるクジラを家畜にする必要はない」とする小松参事官と,「調査研究のためにもクジラの飼育は必要」とする大隅理事長とで意見が分かれてしまうというハプニングも

▲捕鯨の伝統は,小さいけれど再生がおこなわれている強い文化だと語る森田教授。全国から捕鯨に関わる人たちが,この会場に集まってきていることも,捕鯨文化の特徴なのだとも

▲捕鯨の文化は,今まで単線的にとらえられていたが,地域文化として掘り起こし,“捕鯨学”として確立させようと語った中園学芸員

▲用意した原案を基に,全会一致の“伝統捕鯨に関する長門宣言”を作成。しかし,ことクジラに関しては一家言ある人たちばかりで,さすがの小松参事官も全員の意見をまとめるのには一苦労の様子でした

▲ルネッサながとの中庭で催された鯨料理の試食会。クジラ汁,クジラの竜田揚げ,さらしクジラが提供されました

▲サミット終了後,会議室で行なわれた記者会見。前夜祭からずっと取材していたイギリスBBCのクルーから,北太平洋の鯨の汚染について質問が飛ぶ一場面も。それに対し小松参事官は,北大西洋,北太平洋,南極海では汚染の度合いが違うことに言及しながらも,日本の免疫検査の水準の高さ,公正さを理由に「ノープロブレム(心配なし)!」と解答していました



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