鯨論・闘論

「調査捕鯨 乏しい成果,すぐに廃止を」への反論

新潟大学 人文学部・三浦 淳 教授

この記事へのご意見:2件

新潟大学 人文学部・三浦 淳 教授 下記は新潟大学・三浦 淳 教授から鯨ポータル・サイトに寄せられた原稿を掲載するものです。文中に説明がありますように 2009 年 12 月 13 日付けの朝日新聞掲載の署名記事への反論として書かれたものですが,同新聞への掲載はなりませんでした。公表の機会を得たいということで当コーナーに打診があり掲載させていただくことになりました(そのため記事中で,反論先記事の執筆者個人名を明記させていただいております)。
 本来,議論としては反論先の朝日新聞記事も掲載すべきですが,直接に掲載することができませんこと,お詫びいたします。図書館などご利用いただければ幸いです。(編集室)

 12 月 13 日付「私の視点」に掲載された米本昌平氏の論考「調査捕鯨 乏しい成果,すぐに廃止を」を拝見して,捕鯨史や捕鯨の現況を無視した一方的な言い分に驚いた。
 捕鯨史を多少勉強した人間なら,1982 年の IWC(国際捕鯨委員会)総会における商業捕鯨モラトリアム(一時休止)決議が科学委員会の意向に反したものであること,1992 年に科学委員会が RMP(改訂管理方式)をまとめ,総会で採択するよう要請したにもかかわらず無視されたため,科学委員会の委員長(英国人)が抗議して辞職したことを知っている。
 氏は「IWC 総会における捕鯨・反捕鯨の勢力バランスは長い間ほぼ不変」と書いているが,実際には 1980 年前後の政治工作によって反捕鯨国が次々と加盟し,数の上で捕鯨国を圧倒した。右のような科学を無視した態度が総会で通用したのも,数を頼んでの横暴の結果であり,「捕鯨・反捕鯨のバランス」がとれるようになってきたのは近年なのである。
 なぜ反捕鯨国は科学を無視してまで捕鯨を阻止しようとしたのか。それはクジラは特殊な動物だという新興宗教まがいの観念に囚われたからである。米英豪新などの過激な反捕鯨国は元来は捕鯨大国であったが,それは油脂を取るためであり,資源量減少にともなって撤退した。捕鯨に利害関係がなくなってからクジラを神聖視し始めたのである。
 氏は捕鯨問題とマグロなどの水産資源管理とを同列においている。しかし反捕鯨を唱える欧州は各国のエゴのために長らく水産資源管理に失敗してきた。クジラだけがなぜ例外になるかは,新興宗教蔓延以外からは説明がつかない。氏は日本が南極海での調査捕鯨をやめれば沿岸捕鯨が認められるかのように書いている。だが現在ノルウェーが自国近海でのみ行っている捕鯨も,IWC への異議申し立てに基づいている。氏は IWC の実態を知らないようだ。
 日本の調査捕鯨は,2006 年の科学委員会で鯨類学に大きな貢献をなしたとして高く評価されており,ミンククジラ捕獲枠の増大へ貢献する可能性も認められている。日本が古代から鯨食文化を持つことは諸文献によって明瞭であるし,鯨肉の売れ行きが低下したのは,商業捕鯨モラトリアムによって量が減り価格が上がりすぎたからだ。
 何より,捕鯨問題は日本だけのことではない。氏は NGO の一員だそうだが,欧米の金満 NGO はインドネシア人が自国近海で行う捕鯨を無理にやめさせようとしたり,カリブ海の捕鯨国に種々の嫌がらせを仕掛けている。カネの力を頼んで自分の価値観を弱小国に押しつけようとする NGO の横暴を,氏は認めるのだろうか。

[この記事へのご意見:インデックス]

[この記事へのご意見:2件]

[ご意見:2]「クジラの不確実性 2」from:くじら君 さん

>1982 年の科学委員会は,他の鯨種とともに南極海のミンククジラ捕鯨枠について,1,726 ~ 9,867 頭という水準での捕獲枠を勧告しています。

 科学委員会が捕獲枠を勧告したことはありません。“鯨の不確実性”の事で議論していたわけですから勧告などできるはずがないのです。

 >総会でのモラトリアム決定は,この科学委員会の勧告を無視して行われた。

 結論から申しますと,科学委員会は“何も言っていない”のです。

 >鯨種ごとの系統群の分離と再生産関係を正しく捉えるためには,単に過去のデータだけでは不十分で,クジラに関して多方面に及ぶ科学の精度を高めることが国際的にも求められているのが現状です。

 “鯨種ごとの系統群の分離”を調べるために,わざわざクジラを殺す必要はありません。バイオプシーによる DNA 検査を行えば良いのです。RMP に“再生産”データは必要とはされません。

 >そのためにはあなたが挙げているような単純なデータだけではとても足りないことは,ほぼ常識になっています。

 いいえそれは全く違います。RMP に必要なデータは“過去の捕獲統計”と“現在資源量の観測値およびその推定誤差”の 2 点だけなのです。
 これは色々なパラメータを決定しようとして,だがしかし決定できなく,したがって捕獲枠を勧告することができなかった NMP の失敗の教訓を学んでのことなのです。

 >米本氏の主張が誤りであることは明白でしょう。

 これは一種の“妥協案”なのです。かつてのアイルランド提案,そして昨今の IWC 中間会合(秘密会合)から分かりますように「日本が調査捕鯨も含めて南極海を完全に諦めれば日本沿岸での捕鯨はどうぞ御勝手に」というのが昨今の反捕鯨国側の考え方(本音)なのです。

 >米本氏は,反捕鯨国がクジラを聖獣扱いし,1 頭たりとも捕らせないと言っている事実を見まいとしています。

 少なくとも最近の IWC 総会において,そのような発言を行う国は皆無だと思います。

 >なお,ノルウェーは南極海のサンクチュアリーに同意したのではなく,IWC 条約の規定に反するサンクチュアリー提案は違法であるとして投票に参加しなかったということです。

 投票の参加不参加に関係なく,異議申し立てをしていないわけですから,それはつまり自動的にサンクチュアリーに同意することを意味しています。

 >自然死亡率が確定されなかったのは,調査捕鯨による採集標本数が減少(これは首相の指示による)してサンプルが足りなかったためという指摘がなされています。

 その分,調査期間を長くすれば良いと,そういった考えの下,825 頭→( 300 頭)→ 400 頭へとサンプル数を決定したのです。
 ちなみに 1990 年すでにデラマーレが Nature 誌で「サンプリングのばらつきにより,この種の推定は数十年にわたり何万,何百万という鯨のサンプル数を採らない限り致命的な不正確さを伴う」と指摘しております。
 で実際,2006 年東京での科学委員会で「(南極海ミンククジラ調査捕鯨から得られた情報からでは)信頼区間が広すぎるがゆえ自然死亡率パラメータは事実上,未知である」と評価されたというわけなのです。

[ご意見:2]「クジラの不確実性 2」への回答from:新潟大学 人文学部・三浦 淳 教授

( 1 )

>科学委員会が捕獲枠を勧告したことはありません。

1982 年の IWC 科学委員会は事実として数種の捕獲枠を勧告しています。また,モラトリアムが必要だという勧告は行っておりません。

( 2 )

>「鯨種ごとの系統群の分離」を調べるために,わざわざクジラを殺す必要はありません。バイオプシーによる DNA 検査を行えば良いのです。RMP に「再生産」データは必要とはされません。

この点については,鯨類研究の専門家である大隅清治 博士(財団法人 日本鯨類研究所 顧問)から以下のようなコメントをいただきましたので紹介します。

「RMP の適応に当りましては,その前に“RMP の実行可能性試験”という作業をしなければならない取り決めになっております。科学委員会は現在も各鯨類資源について RMP の適用のための議論を長い間続けておりますが,その中で,系統群の分離,現在資源量の推定,MSY の推定が重要課題となっています。それらの議論に付きましては,毎年の科学委員会報告を正しく読めば理解されます。
 投稿者はバイオプシー標本を採集すればよいといっていますが,鯨類資源調査の実態を理解しないで,反捕鯨勢力の主張を鵜呑みにしているだけです。反捕鯨国のオーストラリアとニュージーランドが,今年 JARPA に対抗して,非致死的調査をするべく,多額の調査費を使い,大きな調査船を仕立てて,大勢の調査員を乗せて,南極海に出掛けましたが,クロミンククジラは沢山発見したにも拘らず,このクジラのバイオプシー標本は 1 頭も採集できませんでした。バイオプシー標本が得られたのは,動作の鈍いザトウクジラ 64 検体と,大型で背中を水面に出す時間が長いナガスクジラ 1 検体だけでした。自然条件の厳しい南極海で,敏捷なクロミンククジラに接近するのは,極めて困難です。非致死的調査と言うだけは易しいですが,現実の実行はそう甘くはありません。野外調査には,実行可能性を現実的に理解することが大切です。
 『RMP に“再生産”データは必要とはされません』と,投稿者は知ったかぶりの反論をしていますが,これも間違いです。より正しい再生産関係を知ることが,RMP を合理的に適用するのに大切なのです。そのために科学委員会は,現在 MSY の検討を継続して実施しているのです。」

( 3 )

>RMP に必要なデータは“過去の捕獲統計”と“現在資源量の観測値およびその推定誤差”の 2 点だけなのです。
 >これは色々なパラメータを決定しようとして,だがしかし決定できなく,したがって捕獲枠を勧告することができなかった NMP の失敗の教訓を学んでのことなのです。

これも大隅 博士のコメントを紹介します。

「科学委員会は商業捕鯨のモラトリアムが実施された 1986 年まで,NMP に基づいて,各鯨種資源について捕獲枠を算出して勧告していました。勧告ができなかったわけではありません。科学委員会の論議の中で両論併記事項が多かったのは,1970 年代から科学委員会の中に反捕鯨科学者が送り込まれた結果です。彼らは,それが間違っていても,発言を強引に報告書に記載させるようにしたのでした。
 反捕鯨勢力が“NMP の失敗の教訓”というのは,反捕鯨科学者がいくら頑張っても,NMP を適用すると,捕獲枠が出る鯨種資源が存在し,彼らが意図した捕鯨禁止が NMP によって成功しなかったからです。」

( 4 )

>「日本が調査捕鯨も含めて南極海を完全に諦めれば日本沿岸での捕鯨はどうぞ御勝手に」というのが昨今の反捕鯨国側の考え方(本音)なのです。

そうであるなら,なぜノルウェーの近海捕鯨は IWC によって認められていないのか,と私はすでにお答えしました。あなたのおっしゃる“反捕鯨国の本音”は,現実の IWC によって裏切られています。
 また,インドネシアなど日本以外の国に対しても,反捕鯨国の NGO は圧力をかけて沿岸捕鯨を中止させようとしています。「沿岸での捕鯨はどうぞ御勝手に」というのが反捕鯨国の本音だという御主張は,以上の事実からして誤りです。

( 5 )

>投票の参加不参加に関係なく,異議申し立てをしていないわけですから,それはつまり自動的にサンクチュアリーに同意することを意味しています。

サンクチュアリー自体が国際捕鯨条約違反である以上,投票不参加は不承認を意味すると見るのが常識でしょう。
 また,サンクチュアリーは「資源状態に関係なくサンクチュアリーを設定する」というものですから,ここから,反捕鯨国の非科学的性格,およびクジラを聖獣扱いする異常さが読みとれるはずです。

したがって,

>>米本氏は,反捕鯨国がクジラを聖獣扱いし,1 頭たりとも捕らせないと言っている事実を見まいとしています。
 >
 >少なくとも最近の IWC 総会において,そのような発言を行う国は皆無だと思います。

という御主張は,反証されているということになるでしょう。あなたの主張が正しければ,そもそもサンクチュアリーの設定などなされるはずもないのですから。
 ちなみに英国の漁業担当閣外相は,今年の 3 月,日本の新聞に対して,先住民捕鯨を除くすべての形態の捕鯨に反対すると言明しております。資源量とは無関係にクジラを聖獣扱いする反捕鯨国の態度を率直に表明したものと言えるでしょう。サンクチュアリーとは,こうした自国の価値観を他国に押しつける差別主義に由来しています。米本氏は残念ながら差別主義に迎合しているわけですね。差別主義にははっきり「ノー」を唱えるのが科学者のとるべき態度でしょう。
 また,問題が南極海や日本にとどまらないことは,( 4 )をお読みいただければご理解いただけるはずです。

( 6 )

>ちなみに 1990 年すでにデラマーレが Nature 誌で「サンプリングのばらつきにより,この種の推定は数十年にわたり何万,何百万という鯨のサンプル数を採らない限り致命的な不正確さを伴う」と指摘しております。

これについても,大隅 博士のコメントを紹介します。

「日本が実施している鯨類捕獲調査には,どのようなことでも反捕鯨側から反論を受けるのですが,デラメア(オーストラリアの反捕鯨科学者)の Nature 誌での主張に関連しても,2006 年の JARPA レビュー会議では,『The Workshop agreed that the method used to derive the estimates in SC/D06/J13 (自然死亡率の推定に関する日本の提出論文)was broadly valid, and in particular was free of assumptions about stock-recruitment relationships.』と,調査方法を正当に評価しています。
 投稿者が記述している『信頼区間が広すぎるがゆえ…』の発言は,“ some members ”によるものであって,全体の結論でないことは,報告書を読めば分かります。
 また,自然死亡率の制定は,JARPA の調査目的の一部であり,この点の批判だけで JARPA 全体を評価することはできません。」

[ご意見:1]「クジラの不確実性」from:くじら君 さん

>1982 年の IWC(国際捕鯨委員会)総会における商業捕鯨モラトリアム(一時休止)決議が科学委員会の意向に反したものであること,

 “科学委員会の意向”とは具体的にどのような事を指すのでしょうか?その頃の科学委員会内部では,商業捕鯨反対側の科学者たちが指摘する「鯨の不確実性」に対して,商業捕鯨推進側の科学者たちはグウの音も出なかったのですよ。

 >RMP(改訂管理方式)

 RMP ヒゲクジラ商業捕鯨捕獲頭数算出にクジラを殺す科学的必要性はありません。なぜならその算出に必要なデータは「過去の捕獲統計」と「現在資源量の観測値およびその推定誤差」の 2 点だけだからです。

 >氏は日本が南極海での調査捕鯨をやめれば沿岸捕鯨が認められるかのように書いている。

 その通りです。

 >だが現在ノルウェーが自国近海でのみ行っている捕鯨も,IWC への異議申し立てに基づいている。

 自国水域内商業捕鯨を行って,敢えて公海商業捕鯨を行おうとはしないのは多分,自国水域内商業捕鯨だけで充分,需要が賄えるからだと思われます。それと,ノルウェーは南極海サンクチュアリーには同意しているので南極海商業捕鯨はできません。

 >日本の調査捕鯨は,2006 年の科学委員会で鯨類学に大きな貢献をなしたとして高く評価されており,

 科学委員会には捕鯨推進側の科学者たちも出席してるわけですから,彼らの言質も議事録には残りますから。ちなみに調査捕鯨が第 1 義的目的としてきた「自然死亡率の推定」ですが「自然死亡率は事実上,未知である」と評価されております。

[ご意見:1]「クジラの不確実性」への回答from:新潟大学 人文学部・三浦 淳 教授

( 1 )

 >>1982 年の IWC(国際捕鯨委員会)総会における商業捕鯨モラトリアム(一時休止)決議が科学委員会の意向に反したものであること,

 >“科学委員会の意向”とは具体的にどのような事を指すのでしょうか?その頃の科学委員会内部では,商業捕鯨反対側の科学者たちが指摘する「鯨の不確実性」に対して,商業捕鯨推進側の科学者たちはグウの音も出なかったのですよ。

失礼ですが,事実関係について正確な知識をお持ちではないようです。事実と逆の思い込みをされている。総会における決定は科学委員会の勧告に基づくことが国際捕鯨取締条約 第 5 条によって決められています。1982 年の科学委員会は,他の鯨種とともに南極海のミンククジラ捕鯨枠について,1,726 ~ 9,867 頭という水準での捕獲枠を勧告しています。つまり,あらゆる鯨種にモラトリアムを適用する必要はないということですね。総会でのモラトリアム決定は,この科学委員会の勧告を無視して行われた。つまり条約違反であり,非科学的なものだったのです。

( 2 )

 >RMP ヒゲクジラ商業捕鯨捕獲頭数算出にクジラを殺す科学的必要性はありません。なぜならその算出に必要なデータは「過去の捕獲統計」と「現在資源量の観測値およびその推定誤差」の 2 点だけだからです。

RMP については,1992 年に南極海でミンククジラ 2,000 頭の捕獲を 100 年続けても資源量には影響がないという IWC で決定した方式に従って IWC 事務局による試算が出ています。しかし IWC では改訂管理制度( RMS )を完成させないと商業捕鯨は再開を認めないと決定したため,その後も鯨類の調査が続けられています。鯨種ごとの系統群の分離と再生産関係を正しく捉えるためには,単に過去のデータだけでは不十分で,クジラに関して多方面に及ぶ科学の精度を高めることが国際的にも求められているのが現状です。そのためにはあなたが挙げているような単純なデータだけではとても足りないことは,ほぼ常識になっています。また,調査捕鯨は単に商業捕鯨の再開のためにだけ行われているわけではなく,クジラの生態や特質などについての科学的なアプローチを行うためでもあるのです。

( 3 )

 >>氏は日本が南極海での調査捕鯨をやめれば沿岸捕鯨が認められるかのように書いている。

 >その通りです。

 >>だが現在ノルウェーが自国近海でのみ行っている捕鯨も,IWC への異議申し立てに基づいている。

 >自国水域内商業捕鯨を行って,敢えて公海商業捕鯨を行おうとはしないのは多分,自国水域内商業捕鯨だけで充分,需要が賄えるからだと思われます。それと,ノルウェーは南極海サンクチュアリーには同意しているので南極海商業捕鯨はできません。

米本氏の主張は,日本が南極海での調査捕鯨をやめれば IWC は日本の沿岸捕鯨を認めるだろう,というものでした。私は,米本氏の主張はノルウェーの捕鯨を見れば成り立たないことは明らかだと指摘したのです。仮に米本氏の主張が正しいとするなら,現在南極海で捕鯨をしていないノルウェーが自国近海で行っている捕鯨は IWC によって認められているはずです。しかし実際にはまったく逆なのです。IWC はノルウェーの自国近海での捕鯨も認めていない。ただし IWC には異議申し立てという制度があり,それを行使すれば総会での決定に従わなくていいという決まりになっています。現在のノルウェーの捕鯨はこの異議申し立て制度によっているのであり,IWC の総会で認められて行っているのではありません。以上の事実関係を見れば,米本氏の主張が誤りであることは明白でしょう。米本氏は,反捕鯨国がクジラを聖獣扱いし,1 頭たりとも捕らせないと言っている事実を見まいとしています。これは科学者としてあるまじき態度だと私は考えます。

なお,ノルウェーは南極海のサンクチュアリーに同意したのではなく,IWC 条約の規定に反するサンクチュアリー提案は違法であるとして投票に参加しなかったということです。鯨類資源は経済水域だけに分布しているだけでなく,公海にも分布しています。鯨類資源の合理的利用には公海での捕鯨を行うことが大切です。

( 4 )

 >科学委員会には捕鯨推進側の科学者たちも出席してるわけですから,彼らの言質も議事録には残りますから。ちなみに調査捕鯨が第 1 義的目的としてきた「自然死亡率の推定」ですが「自然死亡率は事実上,未知である」と評価されております。

私が申し上げているのは,米本氏が反捕鯨を頭から信じ込んでいる人間の主張を鵜呑みにしているということです。また記録に「作業部会で評価された」とあるのは,単に一方的な主張ではないという証拠です。それから,自然死亡率が確定されなかったのは,調査捕鯨による採集標本数が減少(これは首相の指示による)してサンプルが足りなかったためという指摘がなされています。一定数のサンプルを確保することにより解明に向かう可能性があるということですね。

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